名前について

知島 「ちとう」と読みます。

あるとき自分で名前を名乗りたくなって、色々考えてつけました。

書や文芸の世界では、雅号と呼ばれる本名ではない名前を名乗ることがあります。その一方でアートの世界では、アートは生き方なのだから本名でやっていくのだという考え方もあります。

もちろんそうでない人もたくさんいますが。自分はどうだろうか。

しばらく考えた結果、私は文字を扱う人間の一人として、生き方云々の前に、字面を気にする、良く言えば、文字の顔が織りなす見た目に対する美意識の方が重要でした。どう生きたかより何を書いたかのほうが興味があります。深いところでは繋がっていたとしても。篠田満州子より篠田桃紅の作品がみたい、夏目金之助より夏目漱石の坊ちゃんが読みたいのです。

それに気づいたとき、名前を名乗りたいという自分の欲求がとても自然なことに思えました。

しかし、雅号によく見られるような風流な名前がしっくりきませんでした。漱石、桃紅…漢詩等から取られていますが、特に座右の銘とするような言葉もなく、面白いと思ったところで名前にするには自分との関わりが弱いと思えました。何より全く自分の名前に思えず、呼ばれて振り返れる気がしません。

どうしたら?

結局自分に所縁のある漢字を組み合わせました。画数や音も考慮。

知島 ちとう としたとき、とてもしっくりきました。実際の島の名前にありそうですが、検索しても出てこなかった、他の人も使っていないようでした。

「知」は、例えば「知事」=事を知る、司る、ゆえにトップの意味合いも持ちます。島を知る、ちょっと不遜な感じもしますが、物理的な島より、何か概念的な島にも捉えられます。とても小さな世界にも。複数の解釈が持てることも気に入りました。

そうして、知島と名乗ることにしました。

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